「特定技能1号」とは、特定の14分野において、一定の技能と日本語能力を有する外国人が、日本国内で就労できる在留資格です。原則として家族帯同は認められておらず、在留期間は通算最長5年まで(1年・6か月・4か月ごとの更新制)とされています。
(1) 特定技能1号を取得するまでの流れ
① 対象分野を選ぶ
特定技能1号の対象となる分野は14分野です。たとえば以下のような職種があります。
- 介護
- 外食業
- 宿泊業
- 建設
- 自動車整備
- 農業
- 飲食料品製造業 など
② 試験を受ける
技能試験と日本語試験の両方に合格する必要があります。
- 技能試験:各分野の業務に必要な技能水準を確認するための試験です。多くは日本国内または海外で実施されています。
- 日本語試験:基本的には「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」に合格する必要があります。
※介護分野では「介護日本語評価試験」も求められます。
③ 雇用先(受入れ機関)を見つける
試験に合格しても、就職先が決まっていなければ在留資格は取得できません。雇用契約を結び、受入れ企業が「支援計画」を策定・実施することが求められます。
特定技能1号では、原則として監理団体は存在せず、企業(受入れ機関)が直接外国人を支援する必要があります。支援が困難な場合は、登録支援機関(出入国在留管理庁に登録された民間機関)に支援業務を委託することも可能です。
④ 在留資格の申請
就労に向けた在留資格の取得方法は以下のとおりです。
- 海外にいる場合(新規入国):在留資格認定証明書交付申請(COE)を行います。
- 日本に滞在中の場合(在留資格の変更):たとえば「留学」「技能実習」などから「特定技能1号」へ変更するため、在留資格変更許可申請を行います。
⑤ 入国または在留資格変更後、就労開始
許可が下りた後、日本への入国または資格変更を経て、就労を開始することができます。
(2) 行政書士としてできるサポート
行政書士は、以下のような専門的支援を提供することができます。
- 在留資格認定証明書交付申請・変更許可申請等の申請取次・書類作成
- 企業向けの支援計画の作成支援やアドバイス
- 受入れ機関へのコンプライアンス(適正受入れ)指導や相談対応
ご不明点があれば、特定技能制度に精通した行政書士にご相談ください。外国人雇用の適正なサポートと、受入れ機関の法的義務の履行は、制度全体の健全な運用に不可欠です。