産廃収集運搬業の許可は「法人に紐づく許可」のため、事業承継の方法によって手続きが大きく変わります。ここでは代表的な3パターンを、実務で必要なポイントに絞って整理します。

① 法人のまま役員交代(代表者変更)
  法人は同一のため許可は維持。必要なのは“変更届”のみ。
 ■ 行政庁への事前相談(推奨)
  • 役員変更届の期限(通常10日以内)
  • 添付書類の種類
  • 非常勤役員・監査役の扱い
  • 株主変更の扱い(株主変更のみなら届出不要)
  • 提出先・部数・郵送可否・原本還付
 ■ 行政の基本的な考え方
  • 役員は常勤・非常勤問わず全員届出対象
  • 監査役も役員扱いで書類提出が必要
  • 株主変更のみなら届出不要(役員変更が伴う場合は届出必要)
 ■ 新役員の要件確認
  • 欠格要件(禁固刑・廃掃法違反・暴力団関係・破産者など)
  • 必要書類:住民票(本籍記載)/身分証明書/登記されていないことの証明書/誓約書
 ■ 手続きの流れ
  1. 株主総会・取締役会で役員変更決議
  2. 法務局で役員変更登記(2週間以内)
  3. 産廃許可の変更届提出(登記後10日以内)
 ■ 併せて発生しがちな変更
  • 本店移転
  • 商号変更
  • 車両追加・変更
  ※自治体により追加書類あり

② 株式譲渡(会社の所有者が変わる)
  法人は同一のため許可は承継される。ただし、株式譲渡に伴い役員総入替が起こるケースが多く、実質的に「経営者変更」として行政確認が必要。
 ■ 事前相談が非常に重要
  • 役員総入替でも許可維持が可能か
  • 株主変更の届出要否(自治体により「5%以上株主」等の確認あり)
  • 実質的支配者の扱い(書類提出が必要な場合あり)
  • 暴力団排除条例の誓約書の要否
 ■ 株式譲渡の実務
  • 株式譲渡契約(株数・価格・表明保証・反社条項)
  • 株主名簿書換(登記は不要)
 ■ 役員変更がある場合
  • 株主総会 → 取締役会 → 登記(2週間以内)
  • 産廃許可の変更届(10日以内)
  • 新任役員の書類提出(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書)

③ 事業譲渡(許可は承継不可)
  産廃許可は法人固有のため、譲受会社は新規許可が必須。許可取得前に事業を開始すると“無許可営業”となるため注意。
 ■ 事前相談(必須)
  • 新規許可の要件
  • 車両要件・講習会修了者の確認
  • 許可区域・積替保管の可否
  • 審査期間・手数料・提出部数
 ■ 新規許可申請のポイント
  • 役員・株主・政令使用人の欠格要件確認
  • 講習会修了者(収集運搬課程)
  • 事業計画(廃棄物の種類・区域・車両台数)
  • 車両の使用権原(所有・リース)
  • 経理的基礎(決算書)
 許可取得後の流れ
  1. 新規許可取得
  2. 事業譲渡契約(許可日を基準に設定)
  3. 車両名義変更・リース契約変更
  4. 顧客契約の名義変更・再締結
  5. 電子マニフェスト(JWNET)登録変更
  6. 譲渡会社の許可廃止届(10日以内)

まとめ(比較の視点)
 • 役員交代:許可維持、変更届のみ
 • 株式譲渡:許可維持、ただし役員総入替は要注意
 • 事業譲渡:許可承継不可、新規許可が必須

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