「旅館業免許」の事業承継は相続以外に以下の方法があります。
1. 事業譲渡による承継【2023年12月13日施行】
 従来は、事業譲渡を行う場合、
 ▢譲渡人:旅館業の「廃業届」
 ▢譲受人:旅館業の「新規許可申請」
が必要であり、その結果、無許可期間が生じるリスクや、営業停止・資金繰り悪化のリスクがありました。
しかし現行法では、事業譲渡であっても「承認」により営業者の地位を承継できるようになりました。つまり、
👉「営業を止めずに旅館業免許を引き継ぐことが可能」となっています。

📌ポイント(実務上重要)
 ✅「廃業届・新規許可申請」は不要
 ✅保健所への事前相談
 ✅譲受人が「事業譲渡承認申請」を行う
 ✅事業譲渡契約書等の「権利義務承継を証する書類」が必要
 ✅承継後、衛生管理・法令遵守の責任は譲受人に全面的に移行
 ✅承継後「6か月以内に保健所等による立入検査・調査」が実施される
 ✅申請時点で、「譲受人が欠格事由に該当しないこと」が必要
 ✅原則として承継の前後で許可の内容は変更することはできない。ただし、譲渡の申請の際に変更の届出を行うことは可能。
 ✅営業の許可がされている事業の一部を譲渡する場合は規程の対象外。
 ✅申請書に添付する「旅館業の譲渡を証する書類」は譲渡が完了したことを証する書類ではなく、今後譲渡する旨を証する書類である必要あり。
 ✅申請書に添付する定款及び寄付行為の写しは、事業譲渡に伴い定款等に変更があった場合、変更手続きが完了したものを提出する必要あり。
 ✅譲渡の効力が承認より前に発生する場合は、新たに許可を取得しなければならず、承認制度は適用されない。
 ✅(法人)申請時点で、「譲受人が欠格事由に該当しないこと」が必要
 ✅事業譲渡後に施設の増設を行う場合、譲渡の手続きとは別に変更届を提出する必要があります。ただし、大幅な変更の場合、新規の許可が必要となることがありますのでご注意ください。
  👉親族内承継・第三者承継(M&A)いずれにも利用可能な点が、大きな特徴です。

2. 合併による承継(従来制度)
 会社法上の合併を行う場合の承継制度です。
 ・ 合併により消滅会社の旅館業営業許可は、存続会社に包括承継
 ・ 新規許可は不要
 ・ 合併後は、速やかに 合併承継の届出 を行う
👉主に「グループ内再編・法人統合」の場面で利用されます。

3. 会社分割による承継(従来制度)
 会社分割(吸収分割・新設分割)による承継です。
 ・ 旅館業を含む事業を会社分割で切り出し、承継会社が営業許可を承継
 ・ 新規許可は不要
 ・ 分割計画書・分割契約書の内容が重要
 ⚠️ 注意点
 ・ 単なる「資産の一部譲渡」や「営業譲渡」は対象外
 ・ あくまで 会社法上の分割 に限られます

🔍 制度の比較(イメージ)

 承継方法 営業停止リスク 新規許可 主な利用場面
相続なし不要親族承継
事業譲渡(承認)なし不要親族・第三者承継
合併なし不要法人再編
会社分割なし不要事業切り出し

📝まとめ
 旅館業免許は、相続以外にも 次の事業承継制度を利用できます。
 ▢ 合併
 ▢ 会社分割
 ▢ 事業譲渡(2023年法改正で新たに承継可能)
特に、事業譲渡による承継制度は、
 ✅後継者が親族以外でも可能
 ✅営業を止めずに承継できる
 ✅地域旅館・温泉宿のM&Aを現実的にした
という点で、後継者不在問題を抱える地域旅館にとって極めて重要な制度改正といえます。

当事務所では「相続による事業承継」「事業譲渡による事業承継」に力を入れております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

入管VISA・外部監査人・許認可事業承継|郡山 行政書士たかはし法務事務所