こんにちは。私は「福島ユナイテッドFC」の熱烈サポーターで、ホームゲームには必ず足を運びます。また、以前から「西武ライオンズ」のファンでもあり、今でも試合結果をチェックしては「いい外国人を獲ったなぁ」と感心しています。
さて、以前のブログでも触れたように、在留資格認定証明書(COE)の申請は、できる限り速やかに準備を進める必要があります。では、よくニュースで見る「新外国人助っ人がすぐ来日・即出場」といったシーン。「もしかして、入国審査に特例があるのでは?」と思ったことはありませんか?
(1)助っ人外国人に特別な入国審査はあるの?
結論から言えば、特別な入国審査は「ありません」。
彼らも他の外国人と同様に、在留資格認定証明書の許可申請を経て、日本に入国しています。
ただし、プロ球団やクラブチームは、この入国手続きを驚くほど計画的かつ効率的に進めているのです。
オフシーズンに合わせて、選手の獲得と並行して在留資格の準備を行い、代理人やクラブ側が迅速に申請します。
何人もの外国人選手を受け入れてきた経験があるため、必要書類や申請ノウハウが完全に整備されているのです。
しかも、球団には行政書士や専門の渉外担当者が関与しており、書類の不備も遅延もほとんどありません。
では、シーズン中に突然発表される「新外国人選手獲得」のニュースはどうなのか?
実は、球団は常に「補強候補リスト」を持っており、成績不振などの状況に応じてすぐ交渉・申請に入れる体制を整えているのです。契約交渉と同時に、COEの準備を進めていることも少なくありません。
(2)実際の在留資格は?
外国人プロスポーツ選手は、「興行(エンターテインメント)」が原則ですが、アマチュア選手や短期トライアウト参加であれば「特定活動」の在留資格が該当します。短期の試合や大会・キャンプのみであれば「短期滞在」も考えられます。面白いですね。
特に実績あるプロ選手の場合、「その選手でなければならない理由(代替不可性)」が明確であり、入管での審査がスムーズに進む傾向にあります。
また、JリーグやNPBのような大規模団体は、受け入れ機関としての信頼度が非常に高く、過去の実績も豊富です。そのため、申請内容に対する審査も迅速です。
一度来日したことがある選手であれば、在留資格変更や更新のみで再入国できるケースもあります。この場合、改めて在留資格認定証明書(COE)を取得する必要がないため、ごく短期間で再来日が可能になるのです。
・在留資格がまだ有効➡再入国許可やみなし再入国で入国可能
・在留資格が失効していても、同一のクラブ(または類似の活動内容)➡COEではなく「在留資格変更」または「更新」扱いで審査を進められる場合がある
・過去の記録・データが入管に残っている➡すでに日本での滞在実績・在留履歴・信頼性などが入管の内部データに蓄積されているため、審査がスムーズになります。
(3)入管の審査はどのように行われる?
スポーツや興行関連の外国人については、シーズン開始に間に合わせる必要性があるため、入管や在外公館も一定の迅速対応を行っています。特に、過去に来日経験がある選手や、有名な選手であれば、活動内容や身元が明確なため、審査のスピードも速い傾向があります。
つまり、「特別扱いされている」わけではなく、計画的な準備と確実な書類作成・申請ができているから、あっという間に来日したように見えるのです。
球団には、外国人選手の受け入れに精通した渉外担当者や行政書士がいて、スピードと正確性の両立が実現されています。私たち行政書士も、こうした「スピードと信頼のバランス」を提供するプロとして、日々研鑽していく必要があります。プロ球団と全く同じ体制は難しくとも、「とにかく早く!」という依頼においても、正確性と法令順守を両立させるのが行政書士の腕の見せどころです。
私自身、スポーツの現場でのスピード感とプロ意識を見習いながら、クライアントに安心と信頼を届けられるよう努めてまいります。