ネパールはインドと中国(チベット自治区)に挟まれた内陸国で、北海道の約1.8倍の国土を有しています。人口はおよそ3,000万人。多くの民族が共に暮らす多民族国家であり、公用語はネパール語ですが、日常生活では各民族の言語が混ざり合って使われています。
 また、世界最高峰エベレストを擁するヒマラヤ山脈が広がり、日本人にとっても登山や観光を通じてなじみ深い国です。国土の約8割が山岳や丘陵地帯であるため生活は決して楽ではなく、経済的には発展途上の段階にあります。

(1)歴史と社会の歩み

 1990年代に民主化が進み、2007年には長く続いた王制が廃止されました。その翌年、初代大統領にラーム・バラン・ヤーダブが就任し、近代国家としての歩みを本格的に始めます。
 2015年には首都カトマンズ周辺で大地震が発生し、約8,500人の尊い命が失われました。この出来事はネパール社会に大きな影響を与え、復興は今も続いています。

(2)文化・宗教・価値観

 宗教は一つではなく、多様性が特徴です。人口の約8割がヒンドゥー教徒で、仏教やイスラム教も広く信仰されています。カースト制度に由来する社会的な課題は、現在でも一部地域で根強く残っており、貧困問題とともに社会の大きなテーマとなっています。
 ネパール社会では「家族のつながり」が非常に重視されます。祖父母から孫までが同居する大家族が一般的で、年長者への敬意が生活の基盤となっています。職場でも上下関係やチームワークを大切にし、個人よりも集団での協力を重んじる傾向が強いです。

(3)ネパール人の暮らしと日本での姿

 ネパールの人々は、インドと中国という大国の狭間で歴史を歩んできた背景や、厳しい生活環境から、忍耐強さや柔軟さを身につけています。一方で、時間の感覚は日本人とは異なり、打ち合わせや約束が予定通りに進まないことも少なくありません。遅刻に対して強く叱責する習慣もあまりないため、日本で働く際には「時間を守る文化」に順応する必要があります。
 教育制度は初等教育から大学まで整えられており、公立学校ではネパール語で授業が行われます。近年では英語を使った私立学校の人気も高まり、海外で活躍できる人材を育てる仕組みが広がっています。
 日本に暮らすネパール人コミュニティは結束力が強く、各地で行われるネパールフェスティバルでは歌や踊りを楽しみ、文化を共有しています。周囲とのつながりを大切にし、年長者への敬意を欠かさない姿勢は、日本社会の中でも好意的に受け止められています。

(4)ネパールの食文化

 ネパールの食文化は、インドやチベットの影響を受けながら独自の発展を遂げてきました。代表的な国民食は「ダルバート」で、豆のスープ(ダル)とご飯(バート)を中心に、カレーや野菜のおかずを盛り合わせた定食のような料理です。シンプルながら栄養バランスが良く、日常的に食べられています。

 
 また、日本でも人気が高い「モモ」と呼ばれる蒸し餃子は、肉や野菜を詰めてスパイスを効かせた一品で、屋台から家庭まで幅広く楽しまれています。ほかにもスパイスを使ったスープ麺「トゥクパ」や、発酵乳を用いたヨーグルト「ダヒ」など、山岳地帯ならではの素朴で力強い料理が多く見られます。

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