在留資格「特定活動」とは、法務大臣が個別に特に指定する活動を行う外国人に付与される在留資格です。法律上は「出入国管理及び難民認定法」別表第一の「特定活動」に該当します。「特定技能」と間違いやすいですね。
一般的な在留資格(例:「技術・人文知識・国際業務」や「留学」など)では対応できない個別・例外的な活動について、個別に法務大臣が許可して認めるものです。
(1)主な対象例(代表的な「特定活動」)
活動内容 | 具体例 | 備考 |
就職活動 | 日本の大学等を卒業後、就職先を探すための活動 | 「特定活動46号」など |
内定後の準備 | 日本で就職が決まった留学生が、入社までの滞在に使う | 「特定活動46号」など |
ワーキングホリデー | 各国との協定に基づくもの | 原則18〜30歳 |
EPA看護師・介護福祉士候補 | フィリピン・インドネシア等からの受入れ | 統一試験に合格すれば別資格へ |
特定活動45号 | 専門学校等卒業生で、職務内容が一致しないが関連ある場合 | 「技人国」で取れない場合の救済的措置 |
在留期間は内容により異なりますが、「6か月」「1年」「3年」「5年」などが指定されます。一部は更新不可のものもあります。「特定活動」と一口にいっても内容が極めて多岐にわたるため、個別指定の内容を「指定書」で正確に把握すること」が大前提です。顧客のニーズによっては、「留学→特定活動→技人国」など複数段階に分けた在留資格戦略が必要なケースもあります。
(2)在留資格「特定活動」申請の基本的な流れ(国内申請)
①活動内容と対象類型の確認
まずは、依頼者が行う予定の活動がどの類型の特定活動(番号)に該当するかを確認します。
【例】・大学等卒業→就職活動 ➡ 特定活動「46号」
・留学生のインターンシップ ➡ 特定活動「インターン」類型
・専門学校卒で職種が少しずれた就労 ➡ 特定活動「45号」
②必要書類の準備
【例】「留学→特定活動(46号)」の場合
・在留資格変更許可申請書(あるいは在留期間更新許可申請書)
・写真(縦4cm×横3cm)1枚(申請前3ヶ月以内)
・パスポートおよび在留カード(原本提示)
・申請理由書
・活動内容説明書または誓約書
<個別の添付書類>【例】就職活動のための46号
・大学や専門学校の卒業証明書または卒業見込証明書
・成績証明書
・学校からの推薦状(任意だが有利)
・就職活動計画書(活動内容の具体性を説明)
※活動の内容に応じて、企業の内定通知書やインターン契約書などが必要になる場合があります。
③入管への申請➡審査
・標準審査期間:2週間~1か月程度(内容により異なる)
・追加資料の提出を求められることもあります(電話・はがきで通知)
④結果通知と在留カード受け取り
・許可されると、はがき等で通知が届く
・在留カードの新しいものが発行される(変更・更新後のカード)
・指定書(活動内容や期間を示す書類)が交付される(とても重要!)
⊂行政書士としてポイント⊃
・「申請理由書」は説得力ある論理構成と具体性が重要!
・「特定活動」は個別性が強いため、類型ごとの対応経験があると有利
・書類の不備や活動の曖昧さがあると、不許可や追加資料要求に