在留資格「留学」とは、日本の教育機関(大学・短期大学・専門学校・高等学校・日本語学校など)で教育を受ける外国人が取得するための在留資格です。法務省令で定められた学校に在籍し、フルタイムで学業に専念することが前提となります。
■在留期間
 在留期間は学業期間に応じて付与され、通常は以下のいずれかとなります。6か月、1年、1年3か月、2年、2年3か月、3年、4年、4年3か月、最長で5年までとされています。

■アルバイト(資格外活動)
 在留資格「留学」では、資格外活動許可を取得すれば、週28時間以内のアルバイトが可能です。
 ただし、この時間を超えて働いた場合や、風俗営業など禁止された業種で働いた場合は、資格外活動違反として在留資格の取消処分となる可能性があります。

■留学ビザの申請要件
 在留資格「留学」を申請するためには、以下の条件を満たす必要があります。
 ・学校からの「入学許可証」または「在学証明書」
 ・学費・生活費を賄えることの証明(預金残高証明、経費支弁者の収入証明など)
 ・明確な学習計画があり、日本での学業に合理性があること
 経費支弁者の収入が不安定な場合や、留学生自身の経済的基盤が不十分な場合は、更新が困難になることがあります

■学業の継続性と成績
 留学生としての在留を維持するためには、次の点が重視されます。
 ・出席率が原則として80%以上であること
 ・成績が著しく悪くないこと(例:進級できない、単位未修得など)
 これらの条件を満たさない場合、在留期間の更新や在留資格の変更が不許可となることもあります。

■偽装留学のリスク
 入国目的が「学業」ではなく、実質的に「就労」が目的であると判断された場合、その留学は偽装留学とみなされます。このようなケースでは、入国拒否や在留資格取消処分の対象になります。また、不適切な管理をしている「不適正校」については、学校単位でビザ申請の審査が厳しくなり、認定校の取り消しが行われることもあります。

■日本語能力の必要性
 大学・専門学校などの専門課程に進学する場合は、原則として日本語能力試験(JLPT)N2以上が求められます。一方で、日本語学校への留学であれば、日本語能力がゼロでも入学は可能です(ゼロから日本語を学ぶことが目的のため)。

■地方の教育機関を選ぶ場合
 地方の大学・短大・専門学校・日本語学校に進学する理由としては、
 ・親戚や知人がその地域に住んでいる
 ・将来的にその地域での進学・就職を希望している
 ・その学校でしか学べない専門分野や指導がある
 ・都市部に比べて学費や生活費が安い

といった理由が考えられます。しかし、これらの選択理由が明確でない場合や、「とりあえずビザを取るため」と見なされる場合には、在留資格が不許可となる、または短期間の許可しか得られない可能性もあります。

⊂まとめ⊃
 「留学」ビザで来日する外国人は、日本で学ぶために多くの経済的・精神的負担を背負いながら生活しています。
入管審査も年々厳格化しており、真に学業目的で来日する方々が、不利益を被らないような制度運用が求められています。
 行政書士としては、適正な在留資格の取得・維持を支援するとともに、不適切な受入れを未然に防ぐための啓発も重要な役割です。

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